天井の耐震補強について
以下の3点全て行うことで、
地震に強く、壊れにくい天井になります。
- クリップなどの部材の強度を高める
- ブレース(斜め補強材)により揺れを押さえる
- クリアランス(隙間)を設けることで、壁との衝突を防ぐ
天井耐震の必要性と法令化
- 平成13年6月
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芸予地震
「芸予地震被害調査報告(技術的助言)」
・ブレース材の追加により揺れを軽減
・クリアランスの設置で壁面への衝突防止
・接合金物をねじ留め等で落下防止■芸予地震後の通知(技術的助言)
・構造体と天井材の間にクリアランスを採る
・吊ボルトにブレースを設ける。(揺れ止め)等
- 平成15年10月
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十勝沖地震
「大規模空間を持つ建築物の天井の崩落対策について(技術的助言)」
・段差部や設備取合部で剛性の異なる場合はクリアランスを設ける
・既存建築物の改善(目標)■十勝沖地震の現地調査
・天井の段差がある部分で、剛性の高い部分と低い部分があり、
また天井面の一部が構造体に接していたため、地震時の揺れで当該部分の
天井材に局所的な力が作用した可能性。等
※釧路空港ターミナルは芸予の通知以前の建設
- 平成17年8月
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宮城沖地震
「地震時における天井の崩落対策の徹底について(技術的助言)」
・確認検査時に図面等で上記技術的助言による対策がされているかを確認すること
■宮城沖地震の現地調査
・剛性の異なる部分にも構造的にクリアランスをとる等の処置が必要。等
- 平成19年
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能登半島地震
新潟県中越沖地震
「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成19年版」
(天井ふところの補強に関する部分の抜粋)
・天井のふところが屋内1.5m以上の場合は、縦横間隔1.8m程度に、吊りボトルと同材又は[-19×10×1.2(mm)以上を用いて、吊りボトルの水平補強を行う
・天井下地材における耐震性を考慮した補強は特記による
・屋外の軒天井、ピロティー天井等における耐風圧性を考慮した補強は 特記による■宮城沖地震の現地調査
・剛性の異なる部分にも構造的にクリアランスをとる等の処置が必要。等
- 平成23年
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東日本大震災(平成23年3月)
「学校施設の非構造部材の耐震対策事例集」-文部科学省
「建築物における天井脱落対策試案」-国土交通省
「天井脱落対策に係る技術基準原案」-国土交通省
「学校施設における天井等落下防止対策の推進に向けて」
(中間まとめ)-文部科学省
- 平成25年
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平成25年2月
「安全上重要である天井及び天井の構造耐力上安全な構造方法を定める件」
・告示案等がパブリックコメントとして公表
平成25年7月12日公布(施行:平成26年4月1日)
「屋根ふき材等」
・建築基準法施行令第39条に第3.4項追加
・第3項:特定天井は構造上安全なものにする(脱落対策)
・第4項:腐食等の劣化防止材料を使用平成25年8月5日公布(施行:平成26年4月1日)
「特定天井及び特定天井の構造耐力上安全な構造方法を定める件」
・〈国交省告示第771号〉